旧)エナフンさんの梨の木
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奥山月仁

Author:奥山月仁
サラリーマン投資家

年率20%リターンを目指す長期投資法。

↓以前書いたファンダメンタルズの本です。
1.jpg

世界一やさしい株の本(中経出版)



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リスクの値段

また、ある読者さんからご質問がありましたので、
リスクプレミアムについて、考えてみたいと思います。

通常、国債で資金を運用するよりも、
充分に調査した上で株を買うなら、
株式投資の方が大きなリターンを得られます。
(ピーターリンチは、調査が充分でなければ、
 タンスの中におカネを置いておく方がマシと
 教えてくれますが・・・。)

マーケットが合理的であるなら、
異なる金融商品間でリターンに大きな差は出ないはずです。
しかし、リターンの確実性に差がある場合、
すなわち、リスクに差がある場合、
マーケットはよりリスクの高い金融商品に対して、
より高いリターンを要求します。

それがリスクプレミアムです。

もし、預金金利が1%で、株の期待リターンも1%なら、
誰も株式投資なんてやらずに貯金するでしょ!!

そういう話です。

まぁ、良く分からない人は、私の本を読んでください。

1.jpg

世界一やさしい株の本(中経出版)

正直言って、リスクプレミアムなんて、そんな難解な話ではないのですが、
正確に伝えようとすると、
どうしても素人さんにはチンプンカンプンな世界に入ってしまいます。

そこで、少々正確さは軽視して、
逆に分かりやすさと普遍性を重視してこの本を書きました。


さて、私は、その本の中で、

株価 = 近未来の1株利益 ÷ ( 金利 + リスクプレミアム )

という単純な公式で、マーケットの動きを理解することができ、
株価の妥当性を判断する根拠として利用できると説明しました。

ところが、

ここでいう「リスクプレミアム」はいったいどのくらいが妥当なのか?

それが、良く分からない。

というのが今回のご質問です。


まず、先に結論から申しますと、

「そんなものは分かろうはずもない」

ということになります。


ちょっと、妙な説明になるかもしれませんが、

「自分にとって、今の彼女は妥当なのか?」

という命題くらい、答えの出ようはずもないものだと考えています。

しかし、この「答えの出ようはずもない命題」に
多くの人が何らかの結論を出して、
結婚という人生を賭けた勝負に出るわけです。

妥当以下の彼女

その上、結婚して50年、
「まぁ、俺にとってはこいつでちょうど良かったな・・・。」
とか、
「俺にはもったいない嫁さんだった・・。」
等と、最終的にはその妥当性について、
一定の答えまで出してしまうのです。

リスクプレミアムもそれなんです。

何が?

要は、後になれば、分かるのです。

なぜなら、後になれば、リスクの大きさも測定可能となり、
結果的に、
「それほど大きなリスクで無かったのに、
 ずいぶん大きなリスクプレミアムを頂けた。
 (つまり、メチャメチャ儲けさせてもらえた)」
等と言えるのですが、

リアルタイムでマーケットと格闘しているまさにその瞬間に、
「この株のリスクプレミアムは7%が妥当だから、
 2%に相当する分だけ株価は割安だ。」
等と結論を出すことはできないのです。

分かりますよね?

とはいえ、先の結婚話と同様、どこかで、
何らかの基準を元に
「えいっ」
と心を決めて行動に出なければ、
株で利益を得ることは出来ないわけです。

その何らかの基準については、
長くなりましたので、また次回・・・。

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比較購入

昨日の続きです。

妥当なリスクプレミアムなんて分かろうはずもないなら、
どのようにして銘柄を選ぶのでしょうか?

まず、一つは私の本の中でも少し紹介した
比較購入という方法があります。

以下、テンプルトン卿の言葉から、

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
イトーヨーカドーは、将来の収益に対して支払う価格が
同種の他銘柄と比べて非常に割安と見られることから
有望なバーゲン銘柄と思われた。
この結論に到達する手順の中には、
比較購入と呼ばれる
大半のバーゲンハンターにおなじみの方法が含まれていた。

「テンプルトン卿の流儀」P118 パン・ローリング社
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

テンプルトンは当時米国の投資家が見向きもしなかった
日本株のイトーヨーカドーの割安さに着目し、
この銘柄で大儲けすることに成功しています。

比較購入とは、ここにある通り、
同種の他銘柄と比べて、予想PERの観点から、
割安な銘柄を購入するという方法です。

いくらが妥当かは分からんが、比較して割高なのか割安なのかは
分かるということです。

そして割安な方を買う手法と言えるでしょう。

(ヘッジファンドの中には、割高な方を空売りし、
 割安な方を購入して、全体相場が騰がろうが下がろうが、
 その差が詰まりさえすれば、勝てるという手法をとるケースもある。)

ということで、ずいぶん以前の私の記事を読んでいただきたいと思います。

みんなゲンキー?(2008年9月24日)
http://enafun.blog21.fc2.com/blog-entry-134.html

当時、私は社名が馬鹿馬鹿しいと株価が割安であることを証明しようと
ドラッグストアー全社をズラリと比較しました。

今回はこれをベースに、
当時、仮にこれらの銘柄を購入していると、
その後どうなっていたかを検証してみましょう。

と、いっても、再編があったり、分割があったり、証券所の鞍替えがあったりで、
全部調べるのは少々骨が折れますので、
とりあえず、当時の割高ベスト3社と、当時の割安ワースト3社を比較したいと思います。

ドラッグ3社比較

まず、目につくのは、割安さの原因が社名にあった!?
「ゲンキー社」のパフォーマンスの高さです。
これなら、年率20%リターンの原動力になりえましたね・・・。
(しかも、当時というのは四季報のデータであるため、
 2008年8月末基準。
 つまり、リーマンショックの直前に買っても、
 3年間で、これほどの利益が出ているということだ。)

そして、驚くのは、割高さ1位だったミドリ薬品は、
同年、マツモトキヨシから、当時の時価よりも安い
80000円でTOBされ、成立していることです。

既にマツモトキヨシからの買収期待で
株価が騰がっていたのでしょうけど、
そのようなファンダメンタルズを無視したイベント投資は
なかなか報われない好例となってしまいました。

以下、当時の記事
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1113&f=business_1113_164.shtml

また、2位のスギHDはやはり割高だったようです。
マイナス31%ですね。

ただ、3位のレディ薬局はまずまずの結果となっています。
これも調べなおしたのですが、当時この会社はテコ入れの真っ最中で、
一時的に収益を落としたため、
結果的に高PERとなっていたことが判明しました。
(その後、テコ入れが奏功し上昇)

このように、純粋なPER比較だけでは充分でなく、
さらに突っ込んで、なぜ、高PERなのか?
なぜ、低PERなのか?
その原因をしっかり調べる必要があります。

それでも、
「どう考えても、おかしい。安すぎる!!」
となったとき、
リスクプレミアムは妥当な水準を大きく超えていると考えれば良いのです。

最後に、当時ダントツで割安だった薬王堂に関してですが、
これは、東日本大震災の影響をまともに食らってしまいました。
(岩手と宮城が地盤ですからね・・・。)

これこそ、私が
「妥当なリスクプレミアムなど分かろうはずもない」
と言いきった一つの例です。

将来、何が起こるかなんて誰も分からないのに、
その分かりもしないものの妥当性など
だれも言うことは出来ないのです。

ただ、それでも、当時、トヨタや新日鉄を買うよりは
ずいぶんマシな結果になっています。
つまり、割安に買っていたことにより、
大変なリスクの表面化に対して、
この程度で済ますことができたともいえるのです。

(っていうか、よくよく調べると、この銘柄、狙い目ですね。
 来期は特損が消えて反動高となりそうです。
 東北応援企業として購入を検討しようかしらん。)

まとめると、比較購入とは、

①まず、予想ベースのPERを比較する。
②次に、なぜそれほどまでの価格差が存在するのかを充分に検証する。
③その原因が、全く根拠のないもの(たとえば社名)としか思えない時、
 GOサインを出す。

という手順で購入する手法と言えるでしょう。

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